イエメン/城塞都市シバーム
【場 所】
イエメン/ハドラマウト州
【登録範囲】
イエメン中央部、シバームの城壁内の旧市街。
【登録基準】〜分化遺産BCD〜【1982年登録】
現存する、あるいは消滅した文化的伝統・文明に関する独特な証拠を示すもの。
重要な様式の建築物、人類の歴史上、重要な発展段階を示す景観の見本。ある文化を代表する伝統的集落、土地利用の顕著な見本。
イエメン/城塞都市シバームについての解説
【イエメン/城塞都市シバーム】
シバームは、日干しレンガで造られた高さ平均30mの高層家屋が林立する、砂漠の町です。町の起源が3世紀頃に遡るシバームは、アラビア半島最大のワジとされるハドラマウトの谷底に位置しています。
ワジの長さは160km、幅は平均2km、深さ300mにも及び、谷底の町はさらに小さなワジを挟み、新市街と旧市街に分かれています。東西約500m、南北約400mの城壁に囲まれた旧市街に建ち並ぶ高層家屋は、およそ500棟と言われています。
「砂漠のマンハッタン」と呼ばれるこの景観は、遊牧民ベドウィンの襲撃や、たびかさなる洪水に備え、建物が高層化した結果によるものです。また、建物を密集させたことで、砂嵐を防ぎ、町に日陰を作り出しています。
土地の環境から生まれた高層家屋群は、「垂直」を原理とした都市計画の最古のものであり、最も優れた見本でもあります。
※ワジ=涸れ川。雨季に山間部に降った雨水が流れる。
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